Vol.1「思考の整理学/外山滋比古」を読んで

初版から30年超、現代社会にも通ずる思考法の大ロングセラー

 どうも、さばかんと申します。

当ブログで最初に取り上げる1冊は、外山滋比古著、「思考の整理学」です。

1983年に発売され、1986年には文庫化。さらに近年では2016年から2年連続となる

「東大生協文庫売上1位」を記録。常に毎年のように同売上ランキングトップに

並び、最も東大生に読まれた学術本と言えます。

 

 初版から30年以上たった本がなぜ今も東大生に支持されるのか。

この本には現代でも通ずる、むしろ情報が絶え間なく交差する現代社会だからこそ

知っておきたい知恵と整理法のヒントがぎゅっと濃縮された1冊になっていると思います。

 私なりに要約してみましたので、是非最後まで読んで頂ければ幸いです。

情報は貯めるのではなく、捨てるもの。

 いやいや、いきなり何言ってんだ。せっかく得た情報を捨ててどうするんだよ。

と思った方もいるかと思います。

 しかし、本書で外山先生は″忘れる努力‶が現代で求められると述べています。

 元々、僕らは忘れるということに偏見を持っているようで、それは学生の時から

「忘れてはいけない」、「忘れてはダメだ」と言われてきたことが1つの要因であるとされています。

 皆さんは知識人というと何でも知っている人だと称賛の言葉であると考えるかもしれません。

 私も知識が無限のように持っている人は尊敬していますが、どうやら知識があるだけでは

現代においてさほど重要でないのかもしれません。 

 

なぜなら、現代にはコンピューターがあるから。

覚えるとういうことにおいて、人がコンピューターに勝つことは難しいでしょう。

人より圧倒的に情報を記憶することができ、しかも忘れない。

 記憶するのはコンピューターに任せて、人はコンピューターが出来ないことをしなくては

ならないということになります。

 さらに外山先生は下記のように述べています。

人間の頭はこれからも、一部は倉庫の役をはたし続けなくてはならないだろうが、それだけではいけない。新しいことを考え出す工場でなくてはならない。

情報の整理学 p111より

 人の頭を倉庫ではなく、常に生産し続ける工場のように使う。

であるとするなら、常に情報という在庫が散らかっている工場では窮屈ですよね。

(在庫が少なすぎるのも問題ですが。。。)

 そのため情報を忘れる、または頭から切り離すとういう作業が必要になってくるというわけです。

整理とは熟成である

  さて、前述したとおり現代において忘れるということの大切さは大きいわけですが、

結局、情報をまた使うときになって「あれ、どこへやったかな」なんていちいちやっていては

あっという間に時間がなくなってしまうのがオチでしょう。

 本書でも、ノートや新聞のスクラップなどをまとめる際には見出しが大切であることを述べています。

どこに何が書いてあるのか一目で分かるほうが後が楽ですからね。

 また面白いことに、整理するために情報を頭から一旦切り離すことで、次回再度見た時に

別な視点、またはアイディアが生まれやすくなるとのこと。

 本書では、ビールの発酵に置き換えられています。情報(素材)とヒント(発酵素)が

掛け合わさることによって、アイディア(ビール)が生まれると。

 ちなみに、ビール造りにおいて素材(麦など)からアルコールを生み出すには全く別な物質

を掛け合わせなくてはいけないそうですが、アイディアづくりも一緒であるそうです。

 行き詰った問題があるならば、解決法は全く別な、予想もしえない場所に隠されているのかもしれません。

 

科学者の間では、こういう行きがけの駄賃のようにして生まれる発見、発明のことを、セレンディピティと呼んでいる。

                         情報の整理学 p66

グライダー型人間ではなく、飛行機型人間へ

 今更ですが、なぜ現代に情報の整理が必要とされているのでしょうか。(お前が一番初めに必要だと言ったじゃねぇか!

 私は改めて、本書の中でのスキルは生きていく上で必要なものだと思うためです。

本書では一番最初に述べられていることですが、学校と社会では評価基準が違うということ。

 学生時代は成績優秀だった人、もしくは有名大出身者でも会社に入って仕事してみるとイマイチ。

みたいなこと一度は聞いた事無いでしょうか?

 学校とは、教科書があり、そこに沿った中で教師が生徒に教える。つまり生徒は既定の路線

に引っ張られるようにして学んでいるのです。独力ではなく、まるでグライダーのようなもの。

 引っ張られてなら空も自由に飛べますが、自分の力だけでは飛べません。

 しかし、社会で求められるのは自分で飛ぶ力。つまり、受動的な姿勢よりも自ら発信、

発明をする力だということです。

 前述したようにコンピューターの出現によって人の評価基準というのは大きく変わりました。

これから先、AIやIoTなどまさにグライダーの代わりとなるものが多く出てくると思います。

 その中で、特に必要とされる人物というのは自分自身で飛行できる飛行機型人間であると

いえるでしょう。本書には飛行機型人間になれるヒントが数多く詰まっています。

まとめ

  •  忘れることを恐れない、頭のメモリーにはゆとりを
  •  行き詰ったら、全く別の世界へ離れる
  •  自ら熟考できる人間へ。でもインプットも忘れずに!

 

 いかがだったでしょうか。初めてのブログのため大変読みにくかったとは思いますが、

最後までご覧になって頂き誠にありがとうございます。

気になった方は是非ご自分の目で読んでみてください。内容の分厚さと読みやすさ、両方

みてとてもお勧めの1冊です。では、また次回にて。

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